甲州は、1,300年以上前から勝沼で栽培されている日本固有のワイン用品種です。
原産地はコーカサス地方で、有名なシルクロードの交易路を経て日本に伝わったと言われています。
甲州種は果皮が厚く、病気や雨、寒さに強い。
フレッシュで穏やかな酸があり、ソーヴィニヨン・ブランに似たアロマを持ちます。
シャトー・メルシャンでは、甲州ワインの品質向上のため、1980年代からシュール・リー製法を採用。
また、ブドウの果皮に含まれる成分を利用しオレンジワイン(グリ・ド・グリ)や
柑橘系のアロマを生かした商品(きいろ香)など、新しいスタイルを開発してきました。
シャトー・メルシャンは、日本ワインをリードするため、他の日本ワイナリーと技術革新について共有をしています。
そして、日本を世界の銘醸地にすることを目指し、得られた技術ノウハウや分析データを他ワイナリーに開示してきました。
甲州種は2004年にヴィティス・ヴィニフェラのDNAを含むことが発見され、
2010年に国際ブドウワイン機構(OIV)に品種登録されました。
軽めのアルコール度数、繊細な舌触り、フレッシュで優しい酸、和柑橘のようなフレッシュなアロマで、
甲州ワインは日本だけでなく、世界中で注目を集めています。


甲州ブドウから生まれる甲州ワインストーリー
甲州ブドウの可能性と向き合い、様々な甲州ワインを生み出してきた
シャトー・メルシャンの造り手(ワインメーカー)による秘話やイベントレポートなどをご紹介します。
2004年には、ワインの香りの世界的権威であるボルドー第二大学と共同研究に取り組み、
同大学の富永敬俊博士とともに甲州から初めて柑橘系の香りを引き出すことに成功。
この技術を用いた白ワイン『シャトー・メルシャン 甲州きいろ香』を発売し、
海外で高い評価を獲得しました。
この時も、メルシャンは研究成果を公開し、他ワイナリーにノウハウや技術を伝えております。



今や甲州の辛口ワインを示す代名詞である「甲州のシュール・リー」。
メルシャンは1970年代からヨーロッパに事務所を置き、
海外の醸造技術をつぶさに学んでいました。
そこで得た知見の一つが、フランスのロワール地方発祥の「シュール・リー製法」です。
白ワインの製造工程では通常、発酵後すぐにオリ引きがおこなわれるのですが、
シュール・リー製法は発酵終了後にワインをオリの上に貯蔵します。
そして酵母の自己消化により、ワインに味わいに深みや幅を与えます。
この知見を活用し、メルシャンは1983年、
甲州のワイン造りにシュール・リー製法を導入し、
1984年に発売。その発売から40周年を迎えたことを記念して、
2024年「シャトー・メルシャン 穂坂甲州 シュール・リー 2023」を限定発売しました。

世界的にも注目されているオレンジワイン。
白ワイン用のブドウを赤ワインのように果皮や種と一緒に発酵させることで造られるワインです。
シャトー・メルシャンでは、20年以上前から甲州ブドウの果皮の可能性を感じ、
2002年に「甲州グリ・ド・グリ(現:笛吹甲州グリ・ド・グリ)」を開発しました。
2021年にロンドンで行われた
「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(International Wine Challenge:IWC)」では、
笛吹甲州グリ・ド・グリ 2019が日本ワインで唯一となる金賞を受賞しました。
オレンジワインのカテゴリーにおいて、その世界的な産地として有名なジョージア以外の産地で
金賞を受賞するのは、同コンクール史上初の快挙となりました。


シャトー・メルシャンのシリーズの中で、
世界のトップクラスと並べる日本を代表するシリーズである「アイコン」。
そのアイコンからシャトー・メルシャンの「甲州」最高峰となる
「シャトー・メルシャン 岩出甲州 オルトゥム」。
山梨市岩出ヴィンヤードの中でも、
特に優れたブドウを生み出す区画のもののみを使用した白ワインです。
『オルトゥム』とはラテン語で「上昇」を意味しており、
このワインが甲州のポテンシャルを飛躍的に昇華させることを願い命名しました。
岩出ヴィンヤードの甲州のみでつくられ、スダチやユズなどの和柑橘の香り、
白い花のニュアンス、心地よい酸やミネラル感が長い余韻が感じられます。

Amicis(アミシス)は、「シャトー・メルシャン」のワインメーカーと
チリ名門ワイナリー「コンチャ・イ・トロ」のワインメーカーが、互いの国を行き来し、
双方の経験と知見を重ね合わせ一緒にワイン造り上げる、
両社の新しいプロジェクトから生まれたワインです。
このワインが「シャトー・メルシャン」と
「コンチャ・イ・トロ」の絆をさらに深化させることを願い、
「友人」という意味を持つ『アミシス』と命名しました。
世界に羽ばたく2つのフィロソフィーが奏でるハーモニーをお楽しみください。




