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WINE & DOORS

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体験 コラム

「香り」から紐解く
ワインと珈琲の共通点

ワインとの共通点が多く、ワインラバーにも愛飲者が多いと言われる珈琲。
オープニングイベントでは、かつて都内の著名レストランなどでシェフソムリエも務め、現在は仙台で松本珈琲Matsurica1978を営む松本章氏を招き、スペシャルセミナーを開催しました。
このセミナーでは、ペンフォールズ ビン8 シラーズ・カベルネ(以下ペンフォールズ ビン8)の香りに焦点をあて、ワインと珈琲のプロである松本氏がペンフォールズ ビン8の香りを表現したこの日のためだけの特別な珈琲豆を用意。参加者は、ワインと珈琲豆の香りを比較したり、時には珈琲豆をかじりながら、松本氏のユーモアを交えたトークに耳を傾けました。
本コラムでは、どのような方法で珈琲豆をペンフォールズ ビン8の香りに近づけたのかを、ワインと珈琲の共通点にも触れながら深堀りしていきます。
珈琲豆でペンフォールズ ビン8を表現するにあたり、3つのポイントについて松本氏より説明がありました。「ロースト」「製法」 「豆の選別」です。それぞれのポイントで見ていきましょう。

松本章氏プロフィール
1973年 仙台市生まれ。日本やフランスでソムリエとしての経験を積み、2002年には世界最優秀ソムリエコンクール日本代表選考会 東京代表に選出。その後、国際ワインコンクール審査員などを経て、六本木ヒルズクラブのシェフソムリエや山の上ホテルの統括マネージャーなどを歴任し、2015年2代目としてMatsurica1978代表に就任する。珈琲業界で最難関の1つと言われるブラジル認定珈琲鑑定士の資格をブラジル現地にてポルトガル語にて取得する。
http://www.matsurica1978.jp/

ペンフォールズ ビン8 シラーズ・カベルネの特徴

オーストラリアが誇る、世界最高峰ワイナリーの一角である「ペンフォールズ」。ペンフォールズの特長的なワインメイキングの手法が、マルチ・リージョン、マルチ・ヴァラエタルです。最高品質のワインを安定して造るため、区画や地域、品種に縛られることなく、ワインスタイルに最適なブドウを探し求め、それらを独自のブレンディング技術により、芸術の域にまで高めています。『ビン』シリーズは、その番号ごとに個性を持っており、ビン8は、シラーズとカベルネブレンドへの関心の高まりを受けて発売されたものです。
ティラミスとココアパウダー、ダークチョコレートカスタード、青系と黒系のベリー、エキゾチックなスパイスの香りが競い合うように現れますが、香りの主役はシラーズです。味わいはシルクのような質感があり魅力的で、白コショウ、野生の白いイチゴ、ネーブルオレンジ、ジャスミンの花など、爽やかなフレーバーが口の中に広がります。堂々としたミネラルが全体を引き締めています。

核となる工程「ロースト」

いかなる珈琲豆でも味を変えることができ、料理の世界では味付けにあたるといわれる大切な工程「ロースト」。ローストは大きく「浅煎り」「中煎り」「深煎り」の3つのカテゴリーに分けることができます。“浅煎り”は、紅茶の香りや鋭角的な酸味があるのが特徴で、コクや苦みが少なく、柑橘的な酸味が強いです。次が“中煎り”で、豆は茶褐色で、香りと色ともに浅煎りよりバランスが良く、酸がやや抑えられますが、その分苦みがあります。3つ目が“深煎り”。黒褐色で酸味が抑えられて苦みが前面に出ています。

ペンフォールズ ビン8の香りの特徴として、アメリカンオークの乳酸のようなニュアンスの香りにいかに近づけるかがポイントの一つでした。合計10日間にわたり、研究をした結果、ローストして5日目が狙いとする香りに近づけることできたため、イベント当日がローストして5日後にあたるように調整をしました。豆はローストが終わった段階で熟成(酸化)が始まりますが、3日目くらいからオイルが浮き出ていて、オイルの香りが空気と触れることで乳酸のような香りをつくりだします。そのため豆に浮き出る豆オイルが5日間の熟成をしたことで、ペンフォールズの香りの要素にあった樽のニュアンスに近づけることができました。

珈琲豆の精製方法

珈琲の味に影響を与える要素として、ローストが重要であるとお話しましたが、珈琲豆の段階で、豆を洗うか洗わないかという精製方法も非常に重要です。珈琲豆の精製方法には、ナチュラル製法とウォッシュド製法の2つがあります。ナチュラル製法では、果肉がついた状態で天日乾燥させます。糖分があるため太陽の光により発酵してきて、ベリー系やワインの酵母に近い香りが出ます。
一方、最近のモダンな製法としてはウォッシュド製法が挙げられます。こちらは2,3日水につけて、果肉を落としから天日乾燥をさせるためクリアな味わいになります。

ワインの場合は、醸造においては樽かステンレスを使用しますが、珈琲では樽を使用するスタイルがナチュラル製法、ステンレスタンクを使用するスタイルがウォッシュド製法にあたります。ナチュラル製法は発酵の香りもついてくるイメージで、ウォッシュド製法は珈琲本来の香りがよりします。
ワインでは醸造時にあえてバニラチップをいれて樽香をつけたりすることもありますが、ナチュラル製法のイメージ的には同じニュアンスです。
例えば、クラシカルなワインがお好みという方に珈琲をお薦めする場合は、ナチュラル製法のものを採用したり、ブドウ本来の香りを感じるワインがお好きの方であればウォッシュド製法の珈琲を薦めたりしています。

珈琲豆の選択

今までローストや製法についてお話しましたが、原料である珈琲豆ももちろん大切な要素です。
一般的に珈琲豆もブドウと同様、農園が標高の高いところにあるほうが寒暖差の影響でコーヒーチェリーが完熟するため品質の高い豆が収穫されます。また朝に収穫されたほうがエネルギーを蓄えているのでよいです。

今回、ご用意した珈琲豆は3種類のフラットビーンズ(平豆)を使用しています。
ベースとなる豆は、エチオピアのG1といわれるエチオピアの格付けでトップに該当する高品質なもので、標高2,200mの農園で収穫されました。ペンフォールズ ビン8は樽のニュアンスがあるため、ナチュラル製法の豆を採用するところ、今回はあえてウォッシュド製法のものを取り入れました。豆オイル部分で、乳酸っぽいニュアンスを表現できると判明したためです。
2種類目が、コロンビア産で標高2,000mの農園で収穫された18スクリーンを採用しています。スクリーンとは豆のサイズを表しますが、大きいほど良いとされています。エチオピアでは、平均15-16スクリーンであるが、今回のコロンビアは18スクリーンというトップクラスの大粒豆です。

3種類目は、ブラジル産の標高1,050mで収穫された完熟豆です。
ここもワインと似ていますが、以前は豆の大きさだけが注目されていましたが、今は単一農園(ワインでいうモノポール)で収穫された珈琲豆の評価が高いです。

おわりに

ワインと珈琲の両方に精通した松本氏が、ペンフォールズ ビン8の香りに焦点を当てながら、「ロースト」「製法」「豆の選定」という視点から珈琲の世界を探求しました。参加者の皆さんは、ワインと珈琲の共通点の多さに驚き、セミナー終了後も様々な質問が飛び交い、熱気に包まれた「ワイン×珈琲」部屋でした。
今回のペンフォールズ ビン8はこちらからご購入可能です。

ペンフォールズ ビン8 はこちら
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