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WINE & DOORS

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ロバート・モンダヴィ ワイナリー 
ワインメイキングディレクターが目指すワイン造り

「ファインワインの産地であるナパ・ヴァレーを象徴するブランド」の体現を目指し、パッケージリニューアルを実施したロバート・モンダヴィ ワイナリー。ワインメイキングディレクターであるカーティス・オガサワラ氏に醸造家になったきっかけや今後目指したいことについてインタビューしました。

ロバート・モンダヴィ ワイナリー
ワインメイキングディレクター 
カーティス・オガサワラ
カリフォルニアのナパ・ヴァレーにあるニュートン・ヴィンヤードでワイン造りに従事したのちその充実したワインの知識を生かして、2015年にロバート・モンダヴィ・ワイナリーのアシスタント・ワインメーカーへ。。2018年にはワインメーカーに昇格、2023年4月、ワインメイキングディレクターへと任命され、醸造責任者となる。

インタビュー:春日井(WINE& DOORS コラム編集長)

「ファインワインの産地であるナパ・ヴァレーを象徴するブランド」の体現を目指し、パッケージリニューアルを実施したロバート・モンダヴィ ワイナリー。ワインメイキングディレクターであるカーティス・オガサワラ氏に醸造家になったきっかけや今後目指したいことについてインタビューしました。

ワインメーカーを志したきっかけ

日本にお越しいただきありがとうございます。今回は日本滞在後に中国にも向かわれるということで、限られた滞在日程になりますが、楽しみにしていることはありますか。

私は日系4世ですが、生まれ育った場所はカリフォルニアのシリコンバレーのため、日本を訪問するのはこれで2回目です。前回は妻とのハネムーンで訪れました。日本のお客様に私たちのロバート・モンダヴィ・ワイナリーのワインをご紹介し、そして味わっていただける場所にいられることが一番の楽しみですが、それ以外ですと日本は美味しいものがたくさんあるので、とにかくできる限り色々なものを食べたいです(笑)先日は焼き鳥を食べたので、是非おすすめがあれば教えてください。

私は蕎麦をおすすめしたいです。蕎麦だけでなくそのほかのおつまみも是非お酒と一緒に味わっていただければと思います。さて、カーティスさんは今醸造責任者という立場ですが、そもそもワインメーカーを志した理由やきっかけは何かあったのでしょうか。

きっかけはカリフォルニア大学デービス校(以下UCデービス)に入学したことです。UCデービスを選んだ理由は、UCデービスが素晴らしい教育を提供していたというのはもちろんなのですが、私自身がレスリング選手だったため、レスリングの有名なプログラムに参加したいという気持ちもありました(笑)。カリフォルニア大学では入学前に専攻を決める必要があり、その時は機械エンジニアを選択しました。当時は自分が何をしたいのかは分からず、なんとなくこのままエンジニアになるのかなと思っていたのですが、機械エンジニアのほかにワイン醸造の入門クラスを取ったことが大きな転機となりました。芸術と科学の融合したワイン造りにすぐに魅了され、専攻もブドウ栽培と醸造学の部門に変更しました。今考えると、私の兄弟がシェフだったため私の周りに美味しい料理とワインがあるのは当たり前でしたし、ワインの道に進むというキャリアは当然だったのかもしれません。

ロバート・モンダヴィ・ワイナリーの魅力と今後チャレンジしたいこと

UCデービス卒業後は、ドメーヌ・シャンドンのラボ技術者としてキャリアをスタートした後、ニュートン・ヴィンヤードへ進み、2015年からロバート・モンダヴィ ワイナリーのチームに加入されたと伺いました。ナパ・ヴァレーには素晴らしいワイナリーがたくさんありますが、ロバート・モンダヴィ ワイナリーの魅力は何でしょうか?

ロバート・モンダヴィの歴史やワイン造りの哲学はもちろん魅力なのですが、なにより「ブドウ畑」ですね。ト・カロン ヴィンヤード※1とワッポ・ヒル※2という2つの畑があるのですが、ここは私たちの最大の資産であり、ブランドやワインの物語を語る上で欠かすことのできない要素であり魅力であると思っています。

ト・カロン ヴィンヤードについて詳しくはこちら

今後チャレンジしたいことや変えていきたいことがあったら教えてください。

今年ワインメイキングディレクターに就任しましたが、だからといって何かを特別に変えたいとは思っていません。今日までの歴史や何世代にもわたり受け継がれてきたワイン造りを尊重していくのは基本だと思っています。そのうえで、これまでのものにより一層磨きをかけ、より良いワインを造るためには何ができるかを常に考え、進化させていくことが大切だと考えています。何かものごとを変えたいというより、毎年1%でも進化させていくことを日々心掛けています。
また、ワインが造られる畑の特徴やや年(ヴィンテージ)を体現するようなワインも造っていきたいですね。

新たなホスピタリティーの拠点がオープン

2023年夏に、ナパ・ヴァレーの中心に”Arch Tower”というレストランやテイスティングルームを備えたホスピタリティーの拠点がオープンするとお聞きしました。

※取材時は2023年6月

はい、その通りです。現在ワイナリーは大規模改修に着手しており、改修を終えるには数年の時間を要するため、その間のお客様をお迎えするホスピタリティーの拠点として”Arch Tower”をオープンします。ここでは、特別な体験とともに「毎日のワインと料理の体験」を提供していきます。ゲストはナパのダウンタウンを見下ろすことができるラウンジで食事とワインを楽しむことができ、その他にも私たちの代表作であるト・カロンシリーズのワインをテイスティングできたりと様々なワイン体験ができる場となっています。ワイナリーの創始者であるモンダヴィ自身もナパという産地を活性化する為に尽力していたので、今回このような取り組みができることを彼も喜んでくれていると思います。

聞いていて是非私も体験してみたくなりました。私たちもシャトー・メルシャンという日本ワイナリーを経営しており、長野県上田市にある椀子ワイナリーは「ワールド ベスト ヴィンヤード※3」で世界38位およびアジアNo.1を獲得しましたが、ロバート・モンダヴィの取り組みはいつも参考にさせて頂いていますので楽しみです。

カーティス氏のお気に入りのワイン

最後に難しいとは思うのですが、ロバート・モンダヴィ ワイナリーの中でカーティスさんの特にお気に入りのワインを教えてください。

難しい質問ですね(笑)。私にとっては、どのワインも特別で、それぞれにストーリーがあって、まさに自分の子供の中から1番を選ぶようなものですから。ただ、あえて選ぶとするとト・カロンのカベルネ・ソーヴィニヨンとフュメ・ブランが個人的に好きです。それぞれ凝縮感と複雑性があり、ナパを代表するワインと自信を持って言えます。皆さんも是非これらのワインをお楽しみいただければと思います。

編集後記

ナパ・ヴァレーを牽引しているロバート・モンダヴィ ワイナリー。しかしながら、その地位に驕らず、絶え間ない進化のために努力されているのだということを改めて感じるインタビューでした。
特に、「自分が絶対に何かを変えたいというよりも、ロバート・モンダヴィの歴史を尊重しながら毎年、1%でもよりよくすることが大切」というカーティスさんの言葉が印象に残りました。私は2017年に一人旅でナパ・ヴァレーを訪れ、その時にロバート・モンダヴィに訪問していますが、今回の話を聞き、再びナパの地でモンダヴィを飲みたくなりました。

※1 ト・カロン・ヴィンヤード
ナパ・ヴァレーを代表するグラン・クリュとも呼ばれるブドウ畑、「ト・カロン・ヴィンヤード」。
「ト・カロンを歩き、この地形とブドウの樹に見惚れながら、豊かな土壌の匂いを嗅ぎ、私はここが特別な場所だと分かった。言葉では言い表せないような特性に神秘的なものを感じた。」とワイナリーの創始者であるロバート・モンダヴィ氏が惚れ込み、ワイナリーも隣接に建設しました。

※2 ワッポ・ヒル
ナパ・ヴァレー南東部のスタッグス・リープ・ディストリクトAVAに位置する地区。1969年にロバート・モンダヴィ氏がブドウ畑を購入し、現在はロバート・モンダヴィ、マーグリッド・モンダヴィ夫妻の旧邸宅があります。この地域は、ヴァカ山脈からの反射熱がブドウの樹を温め、成熟を促進し、また低地地域の段丘に粘土質の土壌と水はけのよい砂利を含むため様々な品種を育てることができます。

※3 ワールド ベスト ヴィンヤード
世界最高峰のワイン・コンペティション「インターナショナル・ワイン・チャレンジ」(IWC)を主催するイギリスの「ウィリアム・リード・ビジネス・メディア(William Reed Business Media)」が主催するアワード。2019年から開催されており、ワインツーリズムに取り組む世界最高のワイナリーを選出し、世界中の旅行者にワインに関連する素晴らしい体験を提供することを目的としています。

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